新潟港開港150周年記念 インフラツーリズム

2019年3月7日

総合

日  時:平成30年10月30日(火)

見学場所:新潟市歴史博物館みなとぴあ

     新潟港港湾技術調査事務所水理実験場

     新潟港(西港区)水産2号岸壁改良工事

     水上からの港湾施設見学

     山の下閘門排水機場

 

新潟市歴史博物館みなとぴあ

新潟市歴史博物館みなとぴあで田嶋氏に新潟港の歴史についてご講演頂いた。新潟港は信濃川と阿賀野川による土砂が多量に供給されるため、大型船の入港が難しい状況にあった。加えて、「鉄道の普及で船による商売が停滞」、「戦時中における機雷封鎖」、「新潟地震による液状化や津波の被害」といった様々な課題や困難が降りかかり、廃港の危機にもさらされながら、なんとかそれを乗り越え、港としての役割を模索し続けてきたことをご教示いただいた。新潟港の歴史と新潟県人の気質というものが、印象としてすごくマッチして、急に新潟港に対し親しみを感じるようになったのは私だけではない筈である。

 

 

新潟技調水理実験場

新潟技調水理実験場では、泉田副所長に実験場で行っている内容について、実演を行いながらご説明頂いた。波というのは、海底の地形や地質、波の進む方向、波の合流等によって、さまざまな状態に変化するとのことである。これは、シミュレーションで容易に再現できるものではなく、水理実験場で現場を再現し、さまざまな波を発生させてデータを収集したうえでないと検討出来ないものであるとのことである。これまで、波というものをもっと単純なものと捉えていたが、非常に不確実性の多い難しいものであることを知った。とくに技術開発の分野では「波力の衝撃力を小さくすることのできる新しい構造形式の防波堤」について、模型を用いながら説明していただいた。単純な形ではあるが、これまでの概念と異なる形状をした防波堤に非常に斬新なものを感じることが出来た。その後の座学では、田室副所長にご講演頂いた。一つの事業を進めて行く過程では、発注者を中心に、測量・調査・設計・施工といった様々な分野の専門家が役割を担い、お互いが協力し合って事業を完成させるという話を聞き、改めて自分の役割というものを再認識し、大きい視点で業務を行わなければならないと実感した。

 

新潟港水産2号橋岸壁改良工事

新潟港(西港区)水産2号岸壁改良工事の最大の特徴は、若手女性技術者が所長を務めていることであり、現場での課題や苦労したことについてご説明頂いた。昼過ぎから天候が悪くなり、非常に寒い中での説明となったが、数間所長の明るく元気な、そして分かり易い説明に感謝申し上げたい。土木の現場で女性が活躍というと、それだけで嬉しくなってしまうのは、私だけではなかったようで、大いに盛り上がった。これは、一見、女性差別、セクハラとも受け取られかねない発言かもしれないが、土木業界を盛り上げていきたいという純粋な気持ちから出たものであることを付け加えておく。

 

水上からの港湾施設見学

水上からの港湾施設見学はウォーターシャトルをチャーターし、坂内課長に港周辺の施設や船の特徴についてご説明頂いた。船は朱鷺メッセから昭和大橋付近まで信濃川を遡り、その後、河口付近まで下って沢山の説明を受けた。これまでは船を見ても、それがどのような船なのか分からずにいたが、今回の説明で新潟港には多くの役割を担った船があるということを知った。浚渫船はちょうど出航していて見ることはできなかったが、タイミングよく帆船が入港しており、間近で見ることが出来たのは貴重な体験だった。

 

最後に

インフラツーリズムは、最後の見学地である山の下閘門排水機場へと向かったが、私は意見交換会の会場設営があったため、新潟大学駅南キャンパストキメイトへと向かった。非常に中身の濃いツーリズムを企画して頂いた新潟県の方々、ツーリズムを盛り上げて頂いた新潟県建設産業若手マンパワーアップ小委員会の方々に感謝申し上げる。